2014 年 63 巻 3 号 p. 422-426
【はじめに】後期高齢者に対する鏡視下腱板修復術群(ARCR群),鏡視下デブリドマン群(デブリ群),CTA型人工骨頭置換術群(CTA群)の治療成績を検討.【対象および方法】術後1年以上経過した46例47肩が対象.ARCR群32例33肩,デブリ群10例10肩,CTA群4例4肩で,それぞれの手術時年齢と経過観察期間は77.3歳・20ヵ月,79.2歳・20.6ヵ月,79.5歳・19.1ヵ月.39例で何らかの内科的合併症あり.断裂サイズ,可動域,JOA scoreを検討.【結果】断裂サイズは,ARCR群で小断裂2例,中断裂10例,大断裂16例,広範囲断裂5例,デブリ群・CTA群は全例修復不能なサイズであった.最終観察時,可動域は各群とも術前に比し高値を示した.JOA scoreは,それぞれ術前58.3点,56.4点,44.8点で,術後は87.2点,83.7点,81.6点に改善した.【まとめ】ARCRが最も成績が良かったが,修復不能な腱板断裂の場合でもデブリドマン・CTA型人工骨頭置換術は術後疼痛・機能の改善を示し,選択肢の一つとなり得る.