整形外科と災害外科
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鎖骨遠位端骨折に対する骨接合術の治療成績
稲光 秀明伊崎 輝昌三宅 智柴田 陽三櫻井 真内藤 正俊
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2014 年 63 巻 3 号 p. 609-611

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抄録
当科では,鎖骨遠位端骨折に対する観血療法の際,肩鎖関節を固定しない骨接合術を行なっている.従来は3.5mm distal radius T-Plate(T-Plate)を用いていたが,現在は3.5mm LCP Superior Anterior Clavicle Plate with lateral extension(LE-Plate)を使用している.6か月以上の経過観察を行った10例10肩を対象とし,T-Plate法とLE-Plate法を比較した.経過観察期間は術後平均22.5か月(6-20か月)であった.男性6例,女性4例であり,手術時平均年齢は45.9歳(21-72歳)であった.最終経過観察時のJOA score,関節可動域に差はなく,全例で骨癒合が得られた.T-Plateの1例に遠位後方のプレート先端部に創感染を生じた.いずれの方法も肩鎖関節を固定しないため,抜釘までに運動制限の必要はないが,LE-PlateはT-Plateと比べ小さい遠位骨片に対しても強固な固定性が得られると考えられた.
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© 2014 西日本整形・災害外科学会
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