整形外科と災害外科
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鼠径部に発生した乳房外Mammary-type Myofibroblastomaの1例
南 公人濱田 哲矢平岡 弘二庄田 孝則原口 敏昭後藤 雅史松田 光太郎志波 直人
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2015 年 64 巻 1 号 p. 168-170

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抄録

鼠径部に発生した稀な乳房外Mammary-type myofibroblastomaを経験したので報告する.症例は,64歳男性.4年前に左鼠径部の腫瘤に気が付き近医を受診.鼠径ヘルニアと診断され放置していた.平成25年9月,健診異常で精査の為にMRIを施行し,鼠径部の軟部腫瘍を指摘され当院を受診した.左鼠径部に径7×8cmの軟らかい可動性のある腫瘤が触知された.MRIでは,腫瘍は精索に接しておりT1強調像においてhighであるが不均一にlowの部位がありT2強調像では大部分がhighであるがlowの部位も混在した.切開生検の結果,脂肪組織とともに線維芽細胞も認められ高分化型脂肪肉腫が疑われたが,確定診断は出来なかった.手術は,精索,睾丸を合併切除する広範囲切除を行った.摘出組織診断は,乳房外Mammary-type myofibroblastomaとなった.鼠径部に発生したこの腫瘍は,鼠径ヘルニア,高分化型脂肪肉腫と鑑別を要し,注意が必要である.

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© 2015 西日本整形・災害外科学会
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