整形外科と災害外科
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後外側進入による上位頸椎最小侵襲固定術
―C1外側塊スクリューは外側から挿入可能か?―
時岡 孝光土井 英之阿部 光伸
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2015 年 64 巻 1 号 p. 29-35

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抄録

後外側進入で上位頚椎を固定する新たな術式を確立した.上位頚椎の後外側に約4cmの縦切開を加え,筋膜,浅層伸筋群を切開すると下頭斜筋の背側に大後頭神経(GON)が確認でき,下頭斜筋を外上方に追っていくと環椎外側塊に達し,ナビゲーション下にscrewを斜位で挿入した.本術式は2013年3月より2014年3月までに7例行い,手術時間は平均189分,出血量は102.2mlで,固定範囲はC1-3の2椎間が5例,C1-2の1椎間が2例であった.術後CTでC1のscrew挿入角度は平均27.8°であった.本術式は黄色靭帯を切離しないため静脈叢は触ることはなく,安全かつ低侵襲である.

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© 2015 西日本整形・災害外科学会
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