整形外科と災害外科
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掌側ロッキング・プレートによる橈骨遠位端骨折の治療成績
―ACU-LOCとACU-LOC2の比較―
保利 俊雄菊池 克彦鍋山 亮太郎安部 大輔細川 哲
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2015 年 64 巻 1 号 p. 92-95

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抄録

【目的】橈骨遠位端骨折に対する掌側ロッキング・プレート(以下VLPと略す)は多種多様で,それぞれのプレート特有のコンセプトが存在する.今回,橈骨遠位端骨折AO分類typeC3に対しAcu-locとAcu-loc2を使用し観血的整復術を行った症例の治療成績の比較検討を行った.【対象と方法】Acu-loc使用例は6例.Acu-loc2使用例は6例.術直後と術後3か月のX線学的変化(volar tilt, radial inclination, ulnar variance)と可動域,握力,合併症の有無による臨床評価を検討した.【結果】各X線計測値の矯正損失量,および可動域,握力,合併症の有無による臨床評価のいずれにおいても有意差を認めなかった.【考察】関節内粉砕骨折において,屈筋腱損傷や正中神経障害といった合併症を踏まえるとプレート遠位部をロープロファイル化しているAcu-Loc2を使用することが望ましい.

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© 2015 西日本整形・災害外科学会
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