整形外科と災害外科
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化膿性人工膝関節炎に対する開放運動療法の経験
生田 拓也
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2015 年 64 巻 2 号 p. 261-264

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抄録

TKA後の化膿性関節炎に対し関節切開排膿後,創開放のまま直後より運動療法を行い良好な結果を得ており報告した.本法を用いて治療を行った症例は7例で,性別は男性3例,女性4例,年齢は平均78.7歳であった.手術から発症までの期間は1ヵ月以内:3例,3ヵ月:1例,1年以上:3例であった.また,起因菌が同定された症例は5例でMSSA 2例,CNS 1例,肺炎球菌1例,ブドウ球菌属1例であった.全例,一次的に炎症は鎮静化し,創は自然閉鎖した.創閉鎖までに要した期間は平均3.5週であった.しかしながら2例において再発を認め,最終的に再置換術を行った.本法による治療において,通常の膝関節感染の場合これまで再発例はなかったがTKA後の感染の場合は再発例が存在し,再置換術に至る結果となった.しかしながら本法は簡便でありTKA後の感染の場合でも有用な方法であると考えられた.

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© 2015 西日本整形・災害外科学会
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