2015 年 64 巻 3 号 p. 385-389
【目的】橈骨遠位端骨折に対するロッキングプレートによる治療では,良好な成績が報告されている一方で合併症のリスクも指摘されている.当科ではSynthes VA-TCPを使用してきており,その術後成績と合併症について調査検討することを目的とした.【対象と方法】29例30手で骨折型はAO分類でA2 11手,A3 4手,C1 2手,C2 8手,C3 3手,および変形治癒骨折2手であった.これらについてSoong gradeによるプレート設置位置の評価を中心に検討した.【結果】術後成績は概ね良好であったが,合併症を6手に認めた.主な内訳はFPL刺激症状2手,スクリュートラブル2手,矯正損失1手であった.【結論】同じSoong gradeでもプレート突出の程度が異なり,grade 0でも抜釘不要とは結論付けられない.また抜釘時にはスクリュー折損のリスクがあることを念頭におく必要がある.