整形外科と災害外科
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PEEKケージを使用した頸椎前方固定術の検討
白地 仁信藤 真理田中 潤内藤 正俊
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2015 年 64 巻 3 号 p. 414-418

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抄録

(目的)頸椎症,頸椎椎間板ヘルニアに対してPEEKケージを使用した前方固定術の成績について報告した.(対象)2012年から2014年までに当院で前方固定術を施行した46例のうち,PEEKケージを用いた40例である.基礎疾患は頸椎症35例,頸椎椎間板ヘルニア14例,外傷1例であり,固定椎体は1椎間15例,2椎間23例,3椎間1例,4椎間1例であった.(方法)X線側面像による頸椎後弯角,椎体高を術前後,最終経過時に比較と癒合判定を行った.さらにJOAscoreと合併症の有無と対策について検討した.(結果)手術の平均時間は112分(70-180分),出血は24.9cc(10-75cc)であった.JOAscoreは術前12.9が最終診察時は15.6であった.術後血腫やケージの脱転,食道損傷の症例は認めなかった.(考察)前方固定術にPEEKケージとplateを使用する利点は,強固な初期固定,椎体終板温存による椎体圧潰リスクの低減,後弯矯正,入院期間の短縮などがあげられた.

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© 2015 西日本整形・災害外科学会
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