整形外科と災害外科
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変形性膝関節症を伴う内側半月板後角損傷縫合例の検討
玉井 貴之王寺 享弘真鍋 尚至松田 匡弘
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2015 年 64 巻 3 号 p. 475-480

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抄録

【はじめに】変形性膝関節症(OA)を伴う内側半月板(MM)後角損傷の縫合術の治療成績について検討する.【対象と方法】当院で施行したMM後角縫合20例20膝を対象とした.男性2膝,女性18膝で,平均年齢66.3(54~77)歳であった.臨床成績としてJOA score,単純X線にてKellgren-Lawrence(KL)分類と立位膝外側角(FTA),MRIにて軟骨損傷grade分類について検討した.【結果】術前JOA score 58.0±14.1点,FTA 177±3.8°,KL分類grade1:7膝,grade2:10膝,grade3:3膝,軟骨損傷分類grade1:6膝,grade2:8膝,grade3:6膝であった.調査時JOA score 83.3±12.4点で有意に改善していた.KL grade3,軟骨損傷grade3の症例では調査時JOA scoreが有意に低かった.FTAの程度では調査時JOA scoreに有意差はなかった.【考察】短期成績ではあるが,OAを伴うMM後角損傷の縫合術の治療成績は良好であった.軟骨損傷が進行した症例では適応を検討する必要がある.

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© 2015 西日本整形・災害外科学会
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