整形外科と災害外科
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外傷後に環指末節骨に発生した類上皮嚢腫の1例
土井 庸直石河 利之戸田 慎内藤 正俊
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2015 年 64 巻 3 号 p. 562-566

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抄録

手指末節骨内に発生する類上皮嚢腫は稀である.外傷後に左環指末節骨内に発生し,長期経過により著明な増大・骨破壊をきたした類上皮嚢腫の1例を経験したので報告する.【症例】54歳の男性.20年前にモーターに左環指を挟み受傷し,末節骨粉砕骨折の診断にて某医にて手術施行.その後,指の変形・腫脹は続いていた.平成26年3月仕事中に左環指を打撲後に疼痛出現し,近医受診.軟部腫瘍の診断にて当科紹介となった.左示指の末節部~中節部にかけて腫瘤形成認め,皮膚表面は凹凸変形していた.X線にて示指末節骨の骨透亮像を認め,造影MRIでは嚢胞性病変を認め,明らかな造影効果は認めなかった.骨内類上皮嚢腫を疑い,手術施行した.病理診断は類上皮嚢腫であった.【考察】骨内類上皮嚢腫はしばしば骨破壊を伴う.本症例は長期経過により著明な骨破壊をきたしていた.悪性化する報告もあり,疑った際は比較的早期に手術を行うことが望ましいと思われた.

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© 2015 西日本整形・災害外科学会
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