2015 年 64 巻 4 号 p. 776-778
TKA後大腿骨顆上骨折に対してダブルプレートを用いた骨接合術について検討した.対象は2000年10月~2014年2月に当院にて施行したTKA後大腿骨顆上骨折治療にダブルプレートを用いた症例16例(全例女性)で,OA 12例,RA 4例,手術時年齢は平均80歳であった.手術時間は平均157分,術中出血量は平均290 ml,同種骨移植は10例に施行された.ADLは受傷前と同等か一段階低下し,膝屈曲角度は平均39°の減少をみた.同骨折についての観血的治療では遠位骨片の固定性が問題となる.当院では末梢骨片の骨量および骨質の状態が不良な場合にはダブルプレートによる固定法を選択している.ダブルプレートはプレート面による内外側からの把持力での固定性を期待して行い,仰臥位でTKAと同じ皮切から進入し適時同種骨移植を追加している.概ね良好な整復位と固定性が得られ比較的満足する結果を得ており,有用な術式と考える.