整形外科と災害外科
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多中心性細網組織球症に生じた手指変形に対して関節固定術を行った一症例
西 紘太朗宮本 力新見 龍士千葉 恒松林 昌平穂積 晃尾﨑 誠辻本 律
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2015 年 64 巻 4 号 p. 802-804

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抄録

【はじめに】今回我々は多中心性細網組織球症における手指の変形に対し,関節固定術を行い良好な結果を得たので報告する.【症例】49歳,女性.6年前に当院のリウマチ・膠原病内科で上記の診断を受け,関節リウマチの治療に準じてメトトレキサート,タクロリムスによる薬物治療が行われていた.両手指のDIP・PIP関節の破壊に伴う変形が進行してきたため,当科紹介となった.右手指に対し,母指のIP関節,示指のDIP,PIP関節,中指,環指,小指のPIP関節,計6関節の関節固定術を行った.アライメントの適正化および除痛が得られ,ADLが改善した.【考察】多中心性細網組織球症は関節リウマチと同じく手指の関節破壊をきたすが,DIP・PIP関節に著しい関節破壊がみられることが特徴である.本疾患に対する手術治療の報告は極めて少ないが,本症例では関節固定術を行い良好な結果が得られた.

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© 2015 西日本整形・災害外科学会
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