整形外科と災害外科
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腰痛症例の身体機能に対する水中運動の効果
―全身・腰椎骨密度測定を含めて―
赤嶺 卓哉高田 大藤井 康成添嶋 裕嗣田口 信教
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2015 年 64 巻 4 号 p. 813-816

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抄録

腰痛症例62名(平均年齢58.0±9.9歳)に対し,平均約6.0ヵ月間(週2回)の水中運動療法を行い,以下の知見を得た.(1)水中運動後では運動前に比し,肥満の軽減,心肺機能の向上,体幹・下肢の筋力・柔軟性の増強,症状の改善がそれぞれ統計学的に有意に認められた(以下p<0.05).(2)水中運動前後のDXA法による骨密度測定では,第4腰椎骨密度・対同性ピーク値比・対同性同年齢平均値比,第2~4腰椎対同性同年齢平均値比において,それぞれ有意な増強が認められた.(3)水中運動後においては,体幹伸展・屈曲力,ファンクショナルリーチ試験(バランス能力評価)の漸増的な向上が有意に観察された.以上より,腰痛症例に対する水中運動療法の有益性が示唆された.

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© 2015 西日本整形・災害外科学会
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