整形外科と災害外科
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小児両前腕骨骨幹部骨折の手術成績
富永 冬樹井上 三四郎
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キーワード: 前腕骨骨折, 小児, 手術療法
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2016 年 65 巻 1 号 p. 176-181

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抄録

小児両前腕骨骨幹部骨折に対する手術例について,臨床上の注意点を検討した.対象は2013年4月から2014年12月までに手術を行った11例(男児8例,女児3例).年齢は平均8.9歳で,追跡期間は平均7.5ヵ月.受傷機転はスポーツが5例,転倒が4例,転落が2例であり,受傷部位は中1/3が7例,遠位1/3が3例,近位1/3が1例であった.全例Kワイヤーを用いた髄内釘による骨接合術を行った.これらの症例について,Grace & Eversmannの機能評価,レントゲンの角状変形の推移,合併症について調査した.機能評価は全例優であった.角状変形は平均で橈骨正面は6.9度が0度に,橈骨側面は20.5度が3度に,尺骨正面は2.4度が0度に,尺骨側面は13.3度が1.1度にいずれも改善し尺骨正面以外は有意差を認めた.合併症は2例に再骨折を認め,初回と同じスポーツ中の受傷であった.11例の臨床評価と画像は概ね良好であったが,再骨折を2例に認め早期のスポーツ復帰がリスクと思われ注意すべきと考えられた.

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© 2016 西日本整形・災害外科学会
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