整形外科と災害外科
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肩腱板断裂に対して鏡視下Surface-holding法を施行した症例の検討
橋本 卓原田 洋諸岡 孝明増田 祥男諸岡 正明
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2016 年 65 巻 1 号 p. 43-46

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抄録

鏡視下Surface-holding法を施行した腱板断裂43例43肩の術後成績を検討した.男性26肩,女性17肩,手術時平均年齢は66.4歳,術後平均経過観察期間は21.7ヵ月であった.断裂サイズは不全・小断裂7肩,中断裂5肩,大断裂9肩,広範囲断裂22肩で,広範囲断裂の4肩に大腿筋膜移植術を併用した.検討項目は術前後のJOAスコア,Goutallierらの分類による術前の筋脂肪変性の程度,Sugayaらの分類による術後のcuff integrityである.JOAスコアは術前平均56.8点から術後88.9点と有意に改善した.再断裂は9肩(再断裂率:20.9%)で,広範囲断裂に限ると再断裂率は27.3%,筋脂肪変性がgrade 3以上の症例の再断裂率は33.3%であった.広範囲断裂及び高度の筋脂肪変性を有する症例では筋膜移植やRSAなどの方法も考慮して行く必要性が考えられた.

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© 2016 西日本整形・災害外科学会
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