整形外科と災害外科
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大腿骨近位部骨折において手術延期となった要因の検討
清水 大樹佐々木 大萩原 博嗣水城 安尋内村 大輝千住 隆博矢野 良平巣山 みどり
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2016 年 65 巻 1 号 p. 94-98

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抄録

【目的】大腿骨近位部骨折に対して,手術を延期せざるをえなかった症例の解析を行った.【対象】2012年1月~2013年12月に大腿骨近位部骨折を受傷し,当院で手術した296症例のうち,術後1年までカルテ上追跡可能であった107例を対象とした.【結果】入院から手術までに8日以上かかった症例は28例(26.2%)であった.延期理由は抗血小板薬の休薬13例,呼吸器・尿路感染症による発熱が3例ずつ,腎後性を含む急性腎機能低下が2例,認知症が強く発見が遅れた2例であった.手術を7日以内に行った群と8日以上待機した群で生命・機能予後には有意差を認めなかった.【考察】本研究では1年後ADL低下は8日以上群でむしろ小さかった.1年後に再来可能であった症例に限定しているため,成績不良例が除外された可能性があるが,これは諸家の報告にあるように,高齢者でも8日以上待機しても生命・機能予後に劣らないということを示すと思われる.また,当科において待機日数を減らす可能性のあるものとしては抗血小板薬の休薬期間を設けずに手術を行うことが挙げられるが,今後は内服中であっても手術をできるだけ早期に行い,それ以外の要因の場合は合併症治療を行った上で手術を行う方針とした.

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© 2016 西日本整形・災害外科学会
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