整形外科と災害外科
Online ISSN : 1349-4333
Print ISSN : 0037-1033
ISSN-L : 0037-1033
変形性膝関節症を伴う内側半月板後角縫合の成績
玉井 貴之王寺 享弘真鍋 尚至松田 匡弘
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 65 巻 2 号 p. 187-192

詳細
抄録

【はじめに】変形性膝関節症(OA)を伴う内側半月板(MM)後角縫合術の治療成績について報告する.【対象と方法】6か月以上経過観察を行いMRI撮影が可能であった24例を対象とした.男性2例,女性22例,平均年齢66.4(54~77)歳,手術方法は端々縫合(E群)7例,pull out(P群)17例であった.MRIにてMMの偏位率をMedial Displacement Index(MDI)で評価し,また軟骨変性の変化について検討した.【結果】MDIはE群では術前0.41±0.07,術後0.57±0.07と術後有意に増悪していたのに対し,P群では術前0.39±0.04,術後0.42±0.04と有意差はなかった.また術前と調査時のMDI変化については,E群では改善した症例が見られなかったのに対し,P群では4例に改善が見られた.軟骨変性についてはE群では2例(29%),P群では6例(35%)に軟骨変性の進行を認め,有意差はなかった.【考察】端々縫合よりpull outのほうがMDIの改善は期待できると考えられた.今後も長期的な経過観察が必要である.

著者関連情報
© 2016 西日本整形・災害外科学会
次の記事
feedback
Top