整形外科と災害外科
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膝蓋大腿関節面鋸歯状変化とspongialization
古庄 寛子井原 秀俊
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2016 年 65 巻 2 号 p. 196-198

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抄録

67歳女性.両変形性膝関節症にて,近医で保存的に治療されていたが,平成25年4月,左膝腫脹と著しい疼痛が出現し,当院を受診した.X線にて石灰沈着と,膝蓋大腿(PF)関節外側面の鋸歯様変化が見られた.CRP 17,WBC 6400で,60mlの赤褐色混濁穿刺液にはCPPD結晶が存在した.細菌培養は陰性であった.5月に鏡視下滑膜切除を行った.増殖した滑膜には無数の結晶が沈着していたが,PF関節は軟骨下骨が露出するも出血斑は存在しておらず,同部に対する処置は実施しなかった.術後は一時,疼痛・腫脹とも改善したが,術後3.5ヵ月で関節血症が再発し,繰り返したためPF関節に対するspongializationを追加した.再手術1年半後の現在,疼痛,関節血症の再発はなく,X線上PF関節外側面は滑らかである.繰り返す関節血症を伴うPF関節面鋸歯状変化例において,spongializationが功を奏した.

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© 2016 西日本整形・災害外科学会
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