整形外科と災害外科
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Pasteurella multocidaによる人工膝関節置換術後感染の一例
吉野 孝博岡元 信和中村 英一西岡 宏晃唐杉 樹山部 聡一郎髙田 弘誠水田 博志
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2016 年 65 巻 2 号 p. 203-205

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抄録

症例は78歳女性.右人工膝関節置換術後1年経過時に,自宅で飼っている猫に右下腿遠位を咬まれ受傷した.2日後,右膝の腫脹と疼痛が出現し当科へ緊急入院となった.血液検査所見ではCRPの上昇,関節液所見では白血球数の上昇,糖値の低下を認めた.単純X線ではインプラントの緩みは認めなかった.以上から急性遅発性人工膝関節置換術後感染と診断し,同日緊急手術施行した.デブリドマンおよびインサート交換をし,持続洗浄を1週間施行した.術中の採取滑膜よりPasteurella multocidaが検出された.抗生剤投与を行いCRPは陰転化した.さらに6週間抗生物質を経静脈的に投与した.術後から1年現在,再発無く機能も受傷前まで回復している.

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© 2016 西日本整形・災害外科学会
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