整形外科と災害外科
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距骨下関節脱臼の1例
澤井 孝一園田 玲子高宮 啓彰保利 喜英田中 康人
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2016 年 65 巻 2 号 p. 292-294

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抄録

【はじめに】距骨下関節脱臼は全外傷性脱臼の約1% とまれな外傷である.今回我々は距骨頭骨折を伴う距骨下関節脱臼の1例を経験したので報告する.【症例】46歳男性.ソフトボール中,ホームベースへスライディングした際キャッチャーにブロックされ右足を捻り受傷した.初診時,患足は内反底屈位で単純X線像では距踵関節と距舟関節の内側への脱臼を認めた.距骨下関節内側脱臼と診断し同日徒手整復を試みたが,整復困難であった.またCTでは距骨頭骨折も伴っていた.後日観血的整復術および骨接合術を行った.受傷後7カ月が経過するが歩行時痛なく単純X線,CTで距骨下関節症,距骨壊死なども認められていない.【まとめ】本脱臼の予後は一般的に良好であるが,距骨下関節症,距骨無廃性壊死などの合併症が報告されている.本例では距骨頭骨折を合併しており注意深い経過観察が必要と考える.

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© 2016 西日本整形・災害外科学会
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