整形外科と災害外科
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吸収スクリューで骨接合を行ったJuvenile Tillaux Fractureの一例
石渕 晃人赤星 正二郎石倉 透古子 剛福原 志東有田 忍馬場 賢治沖本 信和
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2016 年 65 巻 2 号 p. 308-311

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抄録

Juvenile Tillaux Fractureは脛骨遠位骨端前外側のSalter-Harris III型骨端線損傷である.本骨折は脛骨遠位の外側骨端線が残存している限られた時期に発生するとされ,まれな骨折である.今回,我々はサッカー中に受傷した症例を経験し,吸収スクリューを用いて骨接合を行い,良好な成績を得たので報告する.症例は14歳男性,サッカー中に床に置いてあったマーカーにのって,足を滑らせ受傷した.単純X線像およびCT像でJuvenile Tillaux Fractureと診断し,4.5mm径のHA/PLLA cannulated screwを用いて骨接合を行った.術後6週間の膝下ギプス固定の後,術後3ヶ月で運動へ復帰した.術後7ヶ月の単純X線像およびCT像で骨癒合は良好であり,疼痛なくサッカーへも復帰できた.生体内吸収性骨接合材である本スクリューの使用は本症例に対し有用であったと考えられる.

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© 2016 西日本整形・災害外科学会
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