2016 年 65 巻 4 号 p. 734-737
【目的】上腕骨近位端骨折に対してMode Proximal Humeral Plate(以下PHP)を用いて骨接合術を行った症例のX線学的所見を含めた術後短期成績の検討を行うこと.【対象】2014年11月以降にPHPを用いて骨接合術を行った14例14肩(男性1例,女性13例)を対象とした.手術時平均年齢は68歳(31~84歳)で,術後平均観察期間は4.7ヶ月(3週~9ヶ月),骨折型はNeer分類2-part:4例,3-part:9例,4-part:1例であり,AO分類A1.1:1例,A2.1:1例,A2.2:2例,B1.1:9例,B1.2:1例であった.【結果】術後1ヶ月未満の症例を除いて,全例骨癒合を認め,矯正損失(内反変形)やスクリューのバックアウトは認めなかった.【考察】PHPは骨頭方向へ最大10本のスクリューが挿入可能である点やInferomedial screwの打ち上げ角度が大きく確実に近位骨片へ挿入でき内側支持性を得られる点など,骨梁構造が低下した高齢患者の骨接合術に用いる固定材料として有用と考えられた.