整形外科と災害外科
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Locking plateの近位screwが破綻した大腿骨遠位部骨折の2症例
宮本 瞬吉野 興一郎酒井 和裕濱崎 将弘馬渡 玲子古川 雄樹宮地 有里田中 希杉田 健
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2016 年 65 巻 4 号 p. 765-768

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抄録

大腿骨顆上骨折に対するロッキングプレートによる手術後に近位screwが折損した症例を2例経験した.1例目は右大腿骨顆部骨折(AO-C2)に対し受傷6日目にMIPO法に準じて骨接合術を施行するも術後6か月で近位screwが破損した.2例目は左大腿骨顆上骨折(AO-A2)に対して受傷2日目に骨接合術を施行するも免荷中の術後10日目に近位screwが折損した.2例目は,免荷が厳守できなかったことと,選択したplateが短かったことも要因と考えられるが,2例に共通して,粉砕骨折で内側の骨性支持が欠損していたことも要因と考えられた.MIPO法の原理の理解と手技の習熟が合併症を減少させ,かつ偽関節や遷延骨癒合が危惧される症例にはインプラントが破綻する前に追加手術の検討を要する.

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© 2016 西日本整形・災害外科学会
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