整形外科と災害外科
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首下がり症を伴う頚椎症性脊髄症に対して前方固定術を行った一例
山﨑 裕太郎白地 仁信藤 真理田中 潤内藤 正俊
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2016 年 65 巻 4 号 p. 786-790

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抄録

【はじめに】首下がり症を伴った頚椎症性脊髄症に対し,手術を行った1例を経験したので報告する.【症例】72歳男性,H25.8月頃より右肩痛を認め,12月頃より書字のしにくさが出現した.H27.1月頃より歩行時にふらつくようになった.頚椎症性脊髄症が疑われ,当院を紹介受診となった.身体所見では,両手指の巧緻運動障害,筋力低下,深部腱反射亢進,痙性歩行,頚部の伸展保持困難を認めた.画像検査では,レントゲンでのC3/6の後弯変形とMRI上C3/4/5/6での狭窄を認めた.頚椎症性脊髄症に対してC3/4/5/6の前方除圧固定術を行った.術後より首下がりが見られなくなった.巧緻運動障害,痙性歩行,レントゲンでの後弯変形の改善を認めた.【考察】頚椎症性脊髄症により首下がりを伴う症例では頚椎の後弯変形を認める.後弯を伴う場合,脊柱のアライメントを矯正する必要がある.前方固定術は首下がりを伴う頚椎症性脊髄症の手術療法に適している.

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© 2016 西日本整形・災害外科学会
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