整形外科と災害外科
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頚椎椎弓形成術後に脊髄サルコイドーシスと診断された1例
佐保 明清水 建詞大友 一大茂 壽久永尾 保江島 健一郎柴田 遼長島 加代子濱田 賢治田原 尚直
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2016 年 65 巻 4 号 p. 807-809

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抄録

脊髄サルコイドーシスは比較的まれな疾患であり頚髄症との鑑別が困難なことがある.今回頚椎症性脊髄症として頚椎椎弓形成術を施行後に症状が悪化し,脊髄サルコイドーシスと診断された1例を経験したので報告する.症例は56歳男性.歩きにくさ,四肢のしびれ,残尿感などが徐々に増悪し当科を紹介された.MRIにて頚髄圧迫および髄内信号変化を認め,頚髄症の診断にてC4-6椎弓形成術を施行した.術後1ヶ月のMRIにて除圧良好であったが症状は改善せず,その後下肢麻痺が進行した.術後7ヶ月のMRIにて髄内信号変化の明らかな拡大を認め,胸膜下リンパ節生検にてサルコイドーシスと診断された.ステロイドパルス療法を行い現在も加療中である.頚髄症で手術を行う場合,脊髄サルコイドーシスを念頭におく必要がある.

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© 2016 西日本整形・災害外科学会
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