整形外科と災害外科
Online ISSN : 1349-4333
Print ISSN : 0037-1033
ISSN-L : 0037-1033
椎体前方支持を考慮したlong cortical bone trajectoryスクリュー
藤井 幸治
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 66 巻 1 号 p. 87-91

詳細
抄録

cortical bone trajectory(CBT)法の利点は,traditional pedicle screw(PS)と比較して低侵襲手技で,スクリュー引き抜き強度が高いことである.欠点としてスクリューが短く椎体支持が弱いため,臨床成績がPSに比べて劣ることが指摘されている.この欠点を補うため,CBT法で椎体前方柱までスクリュー刺入が可能かナビゲーションシステムを用いて検討した.刺入位置を一般的なCBTの頭側・外側とし,Roy-Camille法に準じると,コンピューター上では全例椎体前方柱までスクリュー刺入が可能であった.臨床応用した78本のCBTは,ナビゲーションプランニングと術中透視を利用することで,椎間関節を損傷することなく92%のスクリューが前方柱まで到達し,69%で5.5mm径以上のスクリューが使用できた.CBT法の低侵襲性を維持しつつ太く長いスクリュー刺入が可能であった.

著者関連情報
© 2017 西日本整形・災害外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top