整形外科と災害外科
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上腕骨遠位端coronal shear fractureの1例
戸次 将史平川 洋平南谷 和仁志波 直人
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2017 年 66 巻 1 号 p. 97-100

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抄録

上腕骨遠位端coronal shear fractureは,上腕骨小頭と滑車の冠状面に剪断力が加わり生ずる比較的稀な骨折であり,その1例を経験したので報告する.(症例)53歳女性,歩行中誤って水田に転落し受傷.単純X線及びCTにて,後方骨皮質の粉砕のない上腕骨遠位端coronal shear fracture(Dubberley分類type3A)及び橈骨頭骨折(Mason-Morrey分類type1)と診断.受傷後5日目に前外側アプローチにて,headless compression screwを用いて骨接合術を施行.術後2週外固定後,右肘関節可動域訓練開始.術後6か月の現在,右肘可動域;-30°~130°と伸展制限を認めるが,JOA score;78点・Grantham評価;Goodであった.本骨折は,骨片が軟部組織との連続性が乏しく,骨接合術を行うにあたり,より解剖学的整復と強固な内固定が必要とされる.また,骨折型により適するアプローチや固定法が異なると思われ,術前に正確な骨折型評価を行う必要がある.

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© 2017 西日本整形・災害外科学会
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