整形外科と災害外科
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当科における足部壊疽・潰瘍に対する治療成績
井上 三四郎
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キーワード: 足部足関節, 切断, 壊疽
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2017 年 66 巻 3 号 p. 548-551

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抄録

【背景】近年虚血肢に対する下肢救済の機運が高まっている.過去3年間に当科で入院加療を行った足壊死・潰瘍の治療成績を検討した.【対象と方法】対象は21例22肢(1例は両側例),年齢平均68.0(43~91)歳,男性16例女性5例,フォローアップは平均9.7(1~33)カ月.治療法などを調査した.【結果】経皮的経管血管形成術が5肢に,局所陰圧閉鎖療法が8肢に行われていた(いずれも重複あり).手術は全例に行われた.最終切断レベルは,大切断(大腿もしくは膝)10肢,小切断(大切断以外)12肢であった.最終調査時,大切断例は全例創治癒していたが,4例が死亡していた.小切断例は全例生存していたが,2肢は創治癒が得られていなかった.【考察】初療時に感染と虚血を適切に把握することが重要である.ゲートキーパーとなる医師が多種多様な当院では,院内コンセンサスが得られた治療戦略が必要である.

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© 2017 西日本整形・災害外科学会
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