2017 年 66 巻 3 号 p. 585-587
【はじめに】腱板断裂は中高年に多く見られ,若年者の腱板断裂は少ない.腱板断裂に対して鏡視下腱板修復術(以下ARCR)を行った患者を対象とし,若年者の腱板断裂患者の特徴について調査した.【対象と方法】2010年から2016年までの6年間に行ったARCR患者のうち,手術時年齢50歳以下の56例56肩を対象とし,受傷機転,断裂形態,術中所見などを調査した.【結果】受傷機転を有しているものが30例(54%)であった.断裂腱は棘上筋腱断裂が84%,棘上筋腱及び棘下筋腱断裂が16%であった.断裂サイズは不全断裂が32%,小断裂48%,中断裂14%,大断裂5%であった.【考察】50歳以下の肩腱板断裂は外傷性が60%以上と報告されているが,今調査では54%が受傷機転を有していた.また外傷歴のない若年者の腱板断裂群は肩峰下の骨棘が大きい傾向にあり,発生原因の1つと考えられた.