整形外科と災害外科
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凹側肋骨間の変性変化に伴い骨癒合を呈した高度側弯症の治療経験
久保田 悠太宮﨑 正志金﨑 彰三石原 俊信津村 弘吉岩 豊三
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2017 年 66 巻 4 号 p. 750-753

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抄録

思春期特発性側弯症の成人期における遺残例は可撓性が低下し,変形も高度となり治療に難渋する.今回われわれは,凹側肋骨間に骨癒合を呈した高度側弯症の治療を経験したので報告する.症例は,25歳,女性.12歳時,側弯症を指摘され近医受診した.特発性側弯症と診断され受診していたが,通院が途絶えていた.その後腰痛が出現したため,23歳時当科初診となった.高度体幹バランス不全を認め,rib humpが著明であった.その他神経症状は認められなかった.単純X線像では近位胸椎カーブが35度,主胸椎カーブが92度,腰椎カーブが39度であった.強制側屈位X線像では主胸椎カーブは62度,近位胸椎カーブが27度,腰椎カーブは2度まで矯正された.胸部X線像では胸郭変形を認め,呼吸機能検査では拘束性障害をきたしていた.この高度側弯症に対して前後合併手術を施行した.前方解離,Ponte骨切り,肋骨間癒合解離の全周性解離を行い良好な矯正を行うことができた.

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© 2017 西日本整形・災害外科学会
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