整形外科と災害外科
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化膿性脊椎炎に対するPED治療
―PED治療は保存治療後に行うべきなのか?―
泉 貞有上森 知彦今村 寿宏平塚 徳彦加治 浩三松延 知哉河野 勤鬼塚 俊宏畑中 均神宮司 誠也岩本 幸英
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2017 年 66 巻 4 号 p. 773-781

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抄録

【目的】保存治療抵抗性の化膿性脊椎炎に対しPED追加治療を行った症例の成績を評価した.【方法】2014~16年,化膿性脊椎炎に対しPED追加治療を行った6例を対象とした.基礎疾患,罹患高位,起炎菌,臨床検査データ,治療期間,画像検査等を調査した.【結果】基礎疾患を3例に認め,罹患高位は全例で腰椎だった.MRSA感染症は認めなかったが,硬膜外膿瘍を4例に認めた.CRP(mg/dl)は入院時16.6であり,保存治療後のPED術直前(平均36.5日後)2.4に減少するも遷延,術後は1例を除き全例で陰転化(平均27日後)した.【考察】PEDは局所麻酔下で施行できる低侵襲手術である.PED治療を早期に行うと転帰も良い傾向があり,化膿性脊椎炎の診断後,直ちにPEDによる手術治療を施行すれば,感染の早期コントロール・良好な脊柱アライメント保持・神経症状出現の回避・脊椎固定術の回避が得られると思われた.

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© 2017 西日本整形・災害外科学会
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