整形外科と災害外科
Online ISSN : 1349-4333
Print ISSN : 0037-1033
ISSN-L : 0037-1033
運動器不安定症に対するバランス練習アシスト(Balance Exercise Assist Robot:以下BEAR)の効果について
―晩期高齢4症例について―
田中 寿人秋山 菜奈絵笠原 貴紀浅見 豊子
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 66 巻 4 号 p. 867-872

詳細
抄録

【目的】運動器不安定症に対して,BEARによるバランス能力改善への効果について,晩期高齢4症例での検討を行った.【対象と方法】当院で運動器不安定症と診断されBEARプログラム計16回を完遂した4例.男性2例,女性2例.平均年齢は86.5歳であった.バランス評価としては快適歩行速度(m/分),Timed Up & Go Test(TUG)(秒),Berg Balance Scale(BBS),歩行能力(FIM)を,プログラム開始前・後に計測した.【結果】BEARにより快適歩行速度:40.2 m/分→48.3 m/分,TUG:22.9秒→16.7秒,BBS:37.5→46.8,FIM:5.5→6と全ての項目が改善した.【まとめ】BEARはゲーム性を持たせた多重課題を同時集中的に行うバランス訓練用のロボットである.今回,晩期高齢者にBEARを用いたところ,晩期高齢症例のバランス練習において,意欲の維持,バランス能力の改善,そして治療効果の均一性に関して有用であると考えられた.

著者関連情報
© 2017 西日本整形・災害外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top