整形外科と災害外科
Online ISSN : 1349-4333
Print ISSN : 0037-1033
ISSN-L : 0037-1033
月状骨,三角骨粉砕骨折に対する鏡視下整復術の一例
安部 幸雄藤井 賢三藤澤 武慶末冨 裕田邨 一訓
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 67 巻 1 号 p. 106-109

詳細
抄録

【目的】手関節鏡視下整復術は橈骨遠位端骨折や舟状骨骨折・偽関節に応用されている.今回月状骨,三角骨粉砕骨折に対し鏡視下整復術を行った一例を報告する.【症例】26歳,女性.オーストラリアにて転倒し受傷.当地にて回外位ギプス固定を行われ,受傷後21日に当科受診.月状骨,三角骨はともに粉砕していた.【手術】受傷後27日目に手術を施行した.手根中央関節より月状,三角骨関節面を整復し,月状骨はAcutrack screw,三角骨はKirschner鋼線にて固定したのち,可動式創外固定を装着した.【結果】術後5週より創外固定下に自動運動を開始し,7週で創外固定を抜去,術後12週(背屈40度,掌屈0度)の抜釘時に鏡視下授動術を行った.術後2年にて背屈62度,掌屈60度,握力は健側比68%であったが,疼痛はなくADL上支障はなかった.【考察】手根骨骨折に対する鏡視下手術の報告は舟状骨以外にはまだ少ない.今回,受傷後4週で鏡視下整復は可能であった.

著者関連情報
© 2018 西日本整形・災害外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top