整形外科と災害外科
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豆状三角骨関節症の手術治療経験
安部 幸雄藤井 賢三藤澤 武慶末冨 裕田邨 一訓
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2018 年 67 巻 1 号 p. 110-112

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抄録

【目的】豆状三角骨(PT)関節症の自験例における臨床的特徴と手術成績について検討した.【対象・方法】症例は8例9手,男性6例,女性2例,右7手,左2手,年齢は20歳~75歳,平均48歳であった.発症原因は打撲6手,不明3手,2例でギオン管症候群の診断で,1例でTFCC断裂の診断で手術を受けていた.全例にPT関節の圧痛を認め,単純X線では狭小化5手,関節症変化3手,MRIにて水腫を3手,骨内intensityの変化を2手に認めた.握力は健側比52%~100%,平均82%であった.全例に豆状骨の摘出を行った.経過観察期間は2か月~58か月,平均13.6か月であった.【結果】疼痛は術後1~2か月で消失した.握力は96~123%,平均106%まで回復していた.機能損失はみられなかった.【考察】今回の画像,手術所見から考慮するとPT関節症の重症度も様々である.治療は単純摘出にて速やかに疼痛は消失し,機能損失もみられなかった.

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© 2018 西日本整形・災害外科学会
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