整形外科と災害外科
Online ISSN : 1349-4333
Print ISSN : 0037-1033
ISSN-L : 0037-1033
マッサージ後に発症した成人環軸椎回旋位固定の1例
―慢性例&保存治療例―
泉 貞有上森 知彦今村 寿宏平塚 徳彦加治 浩三松延 知哉河野 勤鬼塚 俊宏畑中 均神宮司 誠也岩本 幸英
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 67 巻 1 号 p. 53-56

詳細
抄録

マッサージ後に発症した成人環軸椎回旋位固定(成人AARF)の1例を経験したので報告する.症例は37歳女性,喘息・アトピーの既往歴あり.初診時,後頚部痛を認めたが斜頚は存在せず,Xp・MRI精査するも有意な病変は無かった.初診後,整骨院で2日間,後頚部の愛護的マッサージを受けた.翌朝から斜頚を自覚し改善せず.2ヶ月後,斜頚を主訴に再診.Xp・CTにてFielding分類type 1のAARFを認めた.AARF以外は身体所見・臨床検査データ等も正常だった.入院後,頚椎持続介達牽引を施行.斜頚出現3ヶ月後,鎮静下に徒手整復を行った.オルソカラー固定するも1日で再脱臼した為,再整復しHalo vest固定を8週間施行した.現在,整復後2年が経過するもAARFの再発は認めない.成人AARFは非常に稀で,マッサージ後の発症例は報告がない.また,整復までに3ヶ月を要した慢性例であったが保存治療が可能であった.

著者関連情報
© 2018 西日本整形・災害外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top