整形外科と災害外科
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車椅子生活者に対して腱板修復術を施行した1例
福間 裕子菊川 憲志小田 勇一郎森田 誠橋本 憲蔵田村 諭史河上 純輝高田 興志佐保 修二
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2018 年 67 巻 1 号 p. 67-69

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抄録

スポーツ(水泳)を行う車椅子生活者に対し腱板修復術を施行した症例を経験したので報告する.【症例】41歳男性.脳性小児麻痺により,5年前より車椅子生活であった.数年前に左肩痛が出現,徐々に挙上困難となり当科を紹介受診した.臨床的には肩自動可動域制限を軽度認め,MRIにて腱板断裂(小断裂)を認めた.鏡視所見では腱板小断裂および著明な菲薄化を認め,直視下で腱板修復術を施行した.JOA scoreは術前61点,術後1年8ヶ月で93.5点に改善した.術後MRIでは再断裂は認めず,腱の修復状態は良好であった.現在でも競技を続行し良好な成績を残している.【考察】車椅子生活者では肩は荷重関節であり,腱板修復後の再断裂が危惧される.術前後の十分な説明と長期の経過観察が必要と思われる.

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© 2018 西日本整形・災害外科学会
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