2018 年 67 巻 1 号 p. 86-89
骨性mallet fingerに対する石黒法は日常診療において広く行われており簡便で優れた治療法である.我々は当科にて施行された骨性mallet fingerの手術症例に対する検討を行い概ね良好な成績が得られていることが分かった.また石黒法を行った陳旧性骨性mallet fingerのうち,術後ピンが脱転する症例を経験した.この症例に対してpull-out wireを用いた再手術を施行した.pull-out wire法は内固定材による骨片への侵襲がなく早期可動域訓練も可能であり陳旧例や石黒法失敗例に対して有効な手術であると考えられた.