整形外科と災害外科
Online ISSN : 1349-4333
Print ISSN : 0037-1033
ISSN-L : 0037-1033
NCB® Periprosthetic Femur Plateが折損した1例
前原 史朋古市 格小河 賢司志田 崇之荒木 貴士水田 和孝新見 龍士
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 67 巻 2 号 p. 223-226

詳細
抄録

【はじめに】大腿骨骨幹部骨折に対し,NCB® Periprosthetic Femur Plate(以下NCB plate)を用い骨接合術行った1年後にプレートが折損した症例を経験したのでこれを報告する.【症例】89歳女性.左大腿骨髄内釘と人工膝関節置換術(以下TKA)の間の大腿骨骨幹部骨折に対しNCB plateにて骨接合術を行った.10か月後に歩行中に転倒しプレートが折損し再骨折した.転倒前の歩行状態はシルバーカー歩行が可能であった.これに対し偽関節の診断で再度,骨移植及び同プレートを用いて骨接合術を行った.【考察】NCB plateは主に人工関節周囲骨折に用いるロッキングプレートである.特徴としてポリアキシャルなロッキングスクリューホールを有し,プレートは非常に厚く強度としても優れ,折損の報告はほとんどない.しかし大腿骨の近位及び遠位ともにインプラントが挿入され,骨幹部に応力が集中しやすいこのような骨折ではNCB plateであっても折損する可能性がある.

著者関連情報
© 2018 西日本整形・災害外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top