整形外科と災害外科
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慢性疼痛に対するデュロキセチンの処方効果
片江 祐二
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2018 年 67 巻 2 号 p. 300-301

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抄録

【目的】NSAIDsで鎮痛効果が不十分な慢性疼痛患者にデュロキセチンを投与し有効性と副作用を調査した.【対象と方法】2016年4月からの11か月間に当院でデュロキセチンを新規投与した65例(男性11例,女性54例,年齢45~90歳[平均75.0歳])を対象とした.調査項目は1)投与前うつ性自己評価尺度(SDS),2)疾患の内訳,3)併用薬剤,切換薬剤,4)維持用量,有効率,5)痛みNRS,6)副作用,中止率,中止理由である.【結果】1)投与前のSDSは平均41.4点で正常の基準値内であった.2)腰椎疾患が52%,変形性膝関節症が27%であった.3)併用薬剤はNSAIDsが,切換薬剤はトラマドール製剤とNSAIDsが多かった.4)32例が有効で継続し,20 mg/日投与が最も多かった.有効率は55.4%であった.5)痛みはNRSで処方開始時8.4が3.9に低下した.6)副作用は嘔気,眠気・ふらつき,便秘が多く,副作用による中止率は26.1%であった.【考察】デュロキセチン20 mg/日での維持用量が最も多く,NRS 3.9と鎮痛効果が得られた.副作用に対する対策を講じれば,NSAIDsに代わる有用な慢性疼痛薬であると考える.

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© 2018 西日本整形・災害外科学会
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