整形外科と災害外科
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片側性大腿骨頭壊死症の発症9年後に反対側に生じた特発性大腿骨頭壊死症の1例
平良 啓之仲宗根 哲石原 昌人山中 理菜親川 知松田 英敏東 千夏神谷 武志大城 裕理金谷 文則
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2018 年 67 巻 2 号 p. 318-321

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抄録

【症例】35歳男性.習慣飲酒歴あり(ビール700 ml/日×15年),喫煙歴あり(20本/日×15年),ステロイド全身投与歴,外傷歴,潜水歴なし.25歳時に右ONFH(type C2, stage 3A)と診断されたが,その時点で左大腿骨頭に明らかな壊死はなかった.当院で右大腿骨頭前方回転骨切り術を行い,外来経過観察した.34歳時に誘引なく左股関節痛出現し,Xpで帯状硬化像,骨頭圧潰を認め,MRIで低信号バンド像を認め(type C1,stage 3A),左大腿骨頭回転骨切り術を行った.術後半年で原職の運送業へ復帰した.【考察】片側罹患ONFH例の追跡研究で反対側の骨頭壊死の出現はほとんどないと報告されている.本症例は片側罹患後に反対側に発生した稀な症例と思われた.

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© 2018 西日本整形・災害外科学会
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