整形外科と災害外科
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アルカプトン尿症性関節症に対して多関節人工関節置換術を施行した一例
末田 麗真溝口 孝小澤 慶一
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2018 年 67 巻 2 号 p. 342-346

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抄録

アルカプトン尿症はホモゲンチジン酸酸化酵素の欠損によりホモゲンチジン酸が体内に蓄積する先天性代謝障害であり,常染色体劣性遺伝を示す稀な疾患である.今回,アルカプトン尿症性関節症に対して両人工膝関節全置換術(TKA),人工股関節全置換術(THA)を施行し良好な結果を得たため,若干の文献的考察を加えて報告する.【症例】62歳男性.乳幼児期から度々下着の変色の経験があったが放置していた.55歳時に近医での右肩手術後にアルカプトン尿症と診断された.2004年に両膝関節痛を主訴に当院を初診され,両側とも関節症性変化を認めTKAを施行した.術中所見で関節軟骨,軟骨下皮質,半月板,滑膜に黒色の色素沈着を認めた.2013年に右THA,2016年に左THAを施行し,同様に骨頭,臼蓋軟骨の黒色変色を認めた.いずれも術後患者満足度は高く良好に経過した.

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© 2018 西日本整形・災害外科学会
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