整形外科と災害外科
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人工膝関節全置換術の術後疼痛管理における持続大腿神経ブロック,坐骨神経ブロックの有用性と問題点
太田 昌成城戸 秀彦加茂 健太城戸 聡清原 壮登
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2018 年 67 巻 2 号 p. 358-363

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抄録

【目的】人工膝関節全置換術(以下TKA)術後疼痛における持続大腿神経ブロック,坐骨神経ブロックの有用性と問題点について関節周囲多剤鎮痛カクテル注射と比較検討を行った.【対象】当院にて2014年12月よりTKAを施行した63膝(ブロック群22膝,カクテル群41膝)を対象とした.【方法】検討項目はVAS scale(術直後,3時間,6時間,翌日,3日後,4日後,7日後,14日後,退院時),歩行開始までの日数(歩行器見守り,歩行器自立,1本杖見守り,1本杖自立),入院日数,麻酔開始から執刀開始までの時間,術後鎮痛薬使用回数とした.【結果】術直後のVAS scale,術後鎮痛薬使用回数はブロック群が有意に少なく,1本杖見守りまでの日数,麻酔開始から執刀開始までの時間はカクテル群が有意に少なかった.【考察】ブロック群は鎮痛効果が大きいものの手術室滞在時間延長やリハビリテーションの遅れにつながる可能性が示唆された.

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© 2018 西日本整形・災害外科学会
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