整形外科と災害外科
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重度前腕外傷に対しFix & Flapを行った1例
小倉 友介吉田 史郎仲摩 憲次郎松浦 充洋白濵 正博川﨑 優二秋吉 寿中江 一朗志波 直人
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2018 年 67 巻 2 号 p. 371-375

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抄録

前腕デグロービング損傷に伸筋腱損傷をともなう橈骨開放骨折に対して,骨軟部組織再建および一期的に腱移行を施行し,良好な成績を得たので報告する.【症例】35歳,女性,普通乗用車同士の交通事故にて右前腕を車外に押し出され受傷した.前腕は広範なデグロービング損傷であり,長母指伸筋腱(EPL)断裂,橈骨遠位端開放骨折を認めていた.2回のデブリードメントを施行し,陰圧閉鎖療法(NPWT)を併用し受傷後14日目に一期的に再建術を施行した.手術は骨折部をプレートにて固定し,EPL断裂部は固有示指伸筋(以下EIP)を腱移行した.皮膚欠損部は前外側大腿皮弁術および全層植皮術にて再建した.術中,皮弁の血流増悪認め再度血管吻合したが,その後の血流増悪は認めなかった.術後は2週間シーネで固定し,以降より可動域訓練開始した.術後5週目には自動車運転が可能な程度まで改善した.

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© 2018 西日本整形・災害外科学会
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