整形外科と災害外科
Online ISSN : 1349-4333
Print ISSN : 0037-1033
ISSN-L : 0037-1033
バドミントン選手における手舟状骨疲労骨折の2例
上木 智博辻本 律松林 昌平杉山 正泰尾﨑 誠
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 67 巻 3 号 p. 601-605

詳細
抄録

〈緒言〉手舟状骨疲労骨折は非常に稀な骨折である.当科で経験したバドミントン選手における手舟状骨疲労骨折2例を報告する.〈症例1〉17歳男性.バドミントン選手.誘因なく右手関節痛が出現.1ヵ月後に近医受診.MRI検査で手舟状骨疲労骨折と診断され,4ヵ月間保存加療を行われたが,疼痛が残存したため紹介受診.骨折観血的手術を施行,術後3ヵ月で骨癒合を得た.〈症例2〉14歳男性.バドミントン選手.競技中に誘因なく右手関節痛が出現.即日近医受診.MRI・CT検査で手舟状骨疲労骨折と診断され紹介受診.骨折観血的手術を施行,術後2ヵ月で骨癒合を得た.〈結語〉バドミントンによる繰り返す手関節背屈動作が手舟状骨疲労骨折の原因と考えられた.転倒歴のないバドミントン選手の手関節痛では手舟状骨疲労骨折も念頭に検査,治療を行う必要がある.手舟状骨疲労骨折において,早期の競技復帰をめざすためには,初期から観血的治療を行うべきである.

著者関連情報
© 2018 西日本整形・災害外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top