整形外科と災害外科
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骨折を契機に偶然発見されたがん(偶発がん)
井上 三四郎菊池 直士阿久根 広宣中家 一寿
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キーワード: 偶発病変, がん, 骨折
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2018 年 67 巻 4 号 p. 661-662

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抄録

(背景)骨折治療時の偶発がんに関する報告はない.(対象と方法)2012年から2016年の間に骨折治療時に偶発がんが発見された5例.平均年齢75.2(65~87)歳,男性2人女性3人,多発骨傷2例大腿骨近位部骨折2例大腿骨遠位部骨折1例であった.診断名,診断契機,骨折治療,転帰について調査した.(結果)肺癌2例,肝細胞癌・子宮頸癌・乳癌が1例ずつであった.診断契機は全例CTであった.全例骨折に対し可及的早期に手術施行後に,がん治療が行われた.平均2.8(1.5~5)年のフォローアップで3例が死亡し2例が生存していた.【考察】骨折が未治療で体交もままならない状態では,がんに対する生検や治療は困難である.まず骨折治療を優先すべきである.

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© 2018 西日本整形・災害外科学会
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