整形外科と災害外科
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化学療法が著効したGiant cell-rich osteosarcomaの1例
喜屋武 諒子當銘 保則前原 博樹金谷 文則
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2018 年 67 巻 4 号 p. 667-670

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抄録

Giant cell-rich osteosarcoma(GCRO)は通常型骨肉腫の1~3%に発生する稀な疾患である.化学療法が著効した1例を経験したので報告する.症例は65歳,男性.1年前左膝関節痛を主訴に前医を受診した.単純X線像で左大腿骨外側顆の骨透亮像を指摘され,MRIで骨腫瘍疑いと診断された.その後通院の中断があり,6ヵ月後に疼痛が増悪したため前医を再受診し,単純X線像で病巣拡大を指摘され当院へ紹介された.当院で施行したFDG-PETで左大腿骨外側顆に高度集積を認め,切開生検の結果転移性骨腫瘍が疑われたため,初診から1ヵ月半後に広範切除術及び腫瘍用人工膝関節置換術を施行した.最終病理組織診断はGCROであった.術後1ヵ月に急速に増加増大する多発性肺転移を認め,NECO-95Jプロトコールに基づき化学療法を施行したところ著明な縮小効果が得られた.現在化学療法終了後1年6ヵ月経過し,再発転移を認めていない.

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© 2018 西日本整形・災害外科学会
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