2018 年 67 巻 4 号 p. 709-712
【目的】画像所見以外での脊椎カリエスと化膿性脊椎炎とを鑑別する因子を同定すること.【対象と方法】脊椎カリエス25例と化膿性脊椎炎35例を対象とした.検討項目は,年齢・性別・糖尿病,治療中の悪性腫瘍,透析など易感染性を示唆する既往歴(以下既往歴)・脊椎以外の他臓器における活動性結核の合併(以下他臓器結核)・病変部位・入院時白血球数・入院時CRPの7項目である.統計ソフトはStatcel 3とEZRを使用しP<0.05を有意差ありとした.【結果】単変量解析で,性別,既往歴,他臓器結核,病変部位,入院時白血球数に有意差あり.多変量解析で,他臓器結核と既往歴に有意差あり.【考察】化膿性脊椎炎と脊椎カリエスとを鑑別するポイントは,他臓器結核と既往歴であった.他臓器結核,特に肺結核の精査は,集団感染予防という点からも重要である.