整形外科と災害外科
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直視下Latarjet法術後に上腕骨頭後方の扁平化を来した1例
宮﨑 弘太郎柴田 陽三秋吉 祐一郎野村 智洋南川 智彦真田 京一山﨑 裕太郎橋野 悠也伊﨑 輝昌三宅 智柴田 光史土井 庸直
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2019 年 68 巻 1 号 p. 71-74

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抄録

直視下Latarjet法後に上腕骨頭の後方扁平化を来した1例を報告する.症例は21歳男性.ラグビー選手.3年前トレーニング中に右肩を初回脱臼し,その後も脱臼を繰り返した.Latarjet法施行後8ヵ月で競技復帰し,経過良好であった.術後2年6ヵ月でプレー中に脱臼不安感と疹痛が生じた.CTで上腕骨頭後方に新たな扁平化を認めたが,移植骨の吸収やスクリュー折損は認めなかった.MR関節造影で明らかな損傷はなかったものの,疹痛続くため関節鏡を施行.Type Ⅱ SLAP lesion,関節窩後方の軟骨損傷,Hill-Sachs病変の拡大を認めた.直視下Latarjet法は脱臼制動効果の高い術式で,当科で術後再脱臼した症例はない.本症例も脱臼肢位で強力な外力が加わったものの手術効果により脱臼しなかったが,脱臼肢位で骨頭後方に強い力が加わり骨頭に圧迫骨折が生じたものと推察した.

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© 2019 西日本整形・災害外科学会
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