整形外科と災害外科
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橈骨遠位端骨折における背側天蓋状骨片に対する処置と臨床成績の検討
大隈 暁金澤 洋介杉木 暖久保 壱仁守谷 和樹畠山 英嗣
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2019 年 68 巻 1 号 p. 75-78

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抄録

【目的】橈骨遠位端骨折における背側天蓋状骨片に対する処置と臨床成績の検討を行うことである.【対象と方法】対象は,当科において,2010年から2017年まで,背側天蓋状骨片を伴う橈骨遠位端骨折に対し骨接合を施行した35例(35~85歳,平均66.1歳)である.背側天蓋状骨片の内訳は,連続型20例,遊離型11例,髄内型4例であった.背側天蓋状骨片に対して,処置を行ったのは8例(3例は整復,5例は摘出),27例は無処置であった.これらに対し,日手会手関節機能評価,合併症の有無を検討した.【結果】処置群では合併症は認めなかった.無処置群では,27例中10例に合併症を認め(合併症率37.0%,EPL断裂3例,手指拘縮4例,手関節背屈制限3例),無処置群は処置群より有意に(P<0.01)合併症が多かった.また,処置群と無処置群における臨床成績に有意差は認めなかったが,処置群の方が,臨床成績が良い傾向にあった.

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© 2019 西日本整形・災害外科学会
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