整形外科と災害外科
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足部化膿性骨髄炎に対してMasquelet法で治療した1例
白石 和輝前田 純一郎朝永 育朝長 匡
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2019 年 68 巻 2 号 p. 219-222

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抄録

足部化膿性骨髄炎に対してMasquelet法で治療し,感染が鎮静化した1例を報告する.症例は,糖尿病治療中の60歳男性.虫刺傷が原因で足部蜂窩織炎を発症し,皮膚科で加療するも難治性であった.炎症が深部にまで波及したため当科紹介となり,単純レントゲン像とMRI画像から,足部化膿性骨髄炎と診断した.抗菌薬点滴加療を行うも難治性のため,Masquelet法に準じて,デブリードマン,舟状骨および立方骨の部分掻破,セメント充填を行い,4週間後にセメント除去と骨移植術を二期的に施行した.現在,感染の再燃なく骨癒合を得られ,感染は鎮静化したと考えている.四肢外傷後の感染性偽関節や開放骨折後の骨欠損に対してMasquelet法を用いた報告は認めるが,その多くは長管骨での治療報告である.足部化膿性骨髄炎に対する治療法として,長管骨同様に本法を用いた治療は有用であると考えられた.

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© 2019 西日本整形・災害外科学会
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